第23回
土壌汚染状況調査結果の評価に係る問題、今回は土壌汚染状況調査の過程を一部省略した場合の評価です。
まず、土壌ガス調査で特定有害物質が検出した場合の調査は問題16でやりました。検出範囲の代表地点でのボーリング調査ですよね。その時の試料採取等対象物質について、その時詳しく触れませんでしたので、ここで触れておきます。法施行規則第8条です。
基本は土壌ガスから検出された特定有害物質。(第1項第1号)
次に、第1号の規定で対象とした検出された特定有害物質が使用等特定物質の場合で、かつ、分解生成物がある場合、その分解生成物(第1項第2号)
さらに、検出された特定有害物質が使用等特定有害物質の分解生成物であった場合、当該使用等特定有害物質(いわゆる親物質)とその分解生成物全て(第1号で対象とした物質を除く/第1項第3号)
みんな大好き分解生成物は、法施行規則別表第一に。
上表の左側が上欄、右側が下欄です。このうち、四塩化炭素→ジクロロメタンは平成31年施行の改正法から入ってきました。本当は平成22年施行の改正法に入れたかったみたいなのですが、約10年越しの悲願達成でしょうかw
ちなみに四塩化炭素→ジクロロメタンの中間生成物であるクロロホルムについての取り扱いは、多分、ここで触れたんじゃなかったっけ?
問題を見ると、問題の書き方(トリクロロエチレンとその分解生成物であるという書き方になっているので)から使用等特定有害物質はトリクロロエチレン。その分解生成物である1,2-ジクロロエチレンが検出されたということで、
1,2-ジクロロエチレン(第1号)
そして、その1,2-ジクロロエチレンの親物質かつ使用等特定有害物質であるトリクロロエチレン(第3号)。並びにその分解生成物で第1号の規定で試料採取等対象物質にした1,2-ジクロロエチレン以外の分解生成物1,1-ジクロロエチレン、クロロエチレンが試料採取等対象物質になります(第3号)。
で、省略時の評価に係る条文は非常に書き方がややこしいのですが、原則、一番厳しい評価となるということです。
ということで、本来、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、クロロエチレンを試料採取等対象物質にしてボーリング調査をしなければならないのを、省略してしまったということで、これらの試料採取等対象物質について「第二溶出量基準不適合」となります。この場合、検出範囲がすべてこの評価となります。
よって、正答は(5)