第22回
さて今回は問題17から水面埋立て土砂由来調査、自然由来調査に入るので、少し飛ばして人為等由来調査に関する問題を先にやっちゃいます。
午前問題22、これは土壌汚染状況調査のうち、第一種特定有害物質に係る調査の評価に係る問題です。
この辺も、関係する条文を見ていきましょう。
法施行規則第9条第1項、第2項です。
検出範囲の区域で、少なくとも1つの代表地点において第二溶出量基準不適合であれば、当該検出範囲の区域の評価は「第二溶出量基準不適合」となります(法施行規則第9条第1項第2号)。なお、全ての代表地点で第二溶出量基準に適合していたものの、少なくとも1つの代表地点で土壌溶出量基準不適合が確認されたら、当該検出範囲の区域の評価は「土壌溶出量基準不適合」となります(法施行規則第9条第1項第1号)。
全ての代表地点で土壌溶出量基準に適合(ということは第二溶出量基準にも当然適合している)していた場合は、当該検出範囲は、法施行規則9条第1項1号、2号に該当しない(基準適合)という評価になります。
法施行規則第9条第2項は、検出範囲の代表地点で第二溶出量基準又は溶出量基準不適合が確認されたとしても、ボーリング調査を行った単位区画についてはその結果どおりの評価にしましょうという、至極当たり前のことを規定した条文です。
つまり、検出範囲の地点(代表地点に限らず)でボーリング調査を行い、土壌溶出量基準(当然、第二溶出量基準にも)適合が確認されれば、その調査を行った地点を含む単位区画については基準適合と見なせる訳です。
さてここで地味に重要な意味を持っているのが「検出範囲」という言葉で、法施行規則第8条第1項で、
【検出範囲】
土壌ガス調査において気体から試料採取等対象物質が検出された試料採取地点があるとき、又は地下水から検出された試料採取等対象物質が地下水基準に適合しなかった試料採取地点があるときの、当該試料採取地点を含む単位区画が連続する範囲
で、土壌ガスから特定有害物質が検出(又は代替の地下水調査で基準不適合)であった区画が「連続」する範囲っての定義が大事で、こちらについては、平成31年3月1日環水大土発第 1903015 号「土壌汚染対策法の一部を改正する法律による改正後の土壌汚染対策法の施行について」記の第3の1.(6)⑥で、
【連続するとは】
「単位区画が連続する範囲」とは、単位区画の4辺及び4頂点のいずれかが他の単位区画と接していることをもって連続しているものとし、「連続する他の単位区画」とは、単位区画の周囲にある最大8つの単位区画のことを指すものとする。
と説明されており、これが単位区画の統合なんかで出てくる「隣接」との違いなんですよねえ。赤●を付けたような点で接していたら「連続」なんですよね。
問題の図を見ると、土壌ガスから特定有害物質が検出された区画は全て1つの検出範囲となります。検出範囲内に代表地点と見なせる地点が4つある設定なんですよね。
少なくとも1つの代表地点で第二溶出量基準不適合が確認されているので、これは法第9条第1項第2号に該当するので、検出範囲について、まずは、第二溶出量基準不適合という評価となります。
ただし、法施行規則第9条第2項第1号の規定により赤□の単位区画については、溶出量基準不適合、第3号の規定により青□の単位区画については、溶出量基準適合となります。
よって正答は(2)。