第32回

今回も区域の種類の問題。

 埋立地特例区域や埋立地管理区域の定義を知っていれば、即答できる?問題です。

 前回に掲載した施行通知(平成31年3月1日環水大土発第 1903015 号「土壌汚染対策法の一部を改正する法律による改正後の土壌汚染対策法の施行について」記の第4の4.)に出ている表を再掲します。

 意地悪に見ていくと少し注意が必要な問題で、昭和52年3月15日より前に埋め立てられた公有水面埋立地でも、人為等由来汚染のおそれがない土地(規則第3条第6項第3号に該当しない土地)、人為等由来汚染のおそれがないと認められる土地(規則第3条の2第1号に該当する土地)については埋立地特例区域に指定することができます。

 しかし問題の図の方で、

 

 水面埋立て土砂由来汚染調査の調査対象地(規則第3条第6項第2号)が明示されている一方で、人為等由来汚染調査の調査対象地(規則第3条第6項第3号に該当する土地)の明示がありません。また、人為等由来汚染調査の汚染のおそれの区分の分類で、規則第3条の2第1号、「汚染のおそれがないと認められる土地」の該当性が一見読み取れません。青点線で囲った土地です。ここで注意は、凡例の赤点線の所。「土壌溶出量基準適合」とあるので、試料採取等の対象となった範囲ということを読み取れないとダメです。すなわち、土壌汚染状況調査の対象地=人為等由来汚染調査の対象地ということとなり、その調査の結果、土壌溶出量基準適合であったということは、人為等由来汚染調査において「汚染のおそれがないと認められる土地」は青点線の中には無かったと読み取ることができます。この辺がこの問題のいやらしいとこですねw

 もう一つ、選択肢のいやらしさ。結論から言えば正答は(5)なのですが、

 

 水面埋立て土砂由来汚染調査の対象地の中では、

 

(1)人為等由来の汚染(第二溶出量基準適合かつ土壌溶出量基準不適合)と水面埋立て土砂由来の汚染(第二溶出量基準不適合)が存在する範囲

(2)人為等由来の汚染(土壌溶出量基準適合)と水面埋立て土砂由来の汚染(第二溶出量基準不適合)が存在する範囲

(3)人為等由来の汚染(第二溶出量基準不適合)と水面埋立て土砂由来の汚染(第二溶出量基準適合かつ土壌溶出量基準不適合)が存在する範囲

(4)人為等由来の汚染(第二溶出量基準適合かつ土壌溶出量基準不適合)と水面埋立て土砂由来の汚染(第二溶出量基準適合かつ土壌溶出量基準不適合)が存在する範囲

(5)人為等由来の汚染(土壌溶出量基準適合)と水面埋立て土砂由来の汚染(第二溶出量基準適合かつ土壌溶出量基準不適合)が存在する範囲

 

の5種類が存在します。

 ちょっと自分でも整理しきれないwので、もう一枚図を。

 (1)が緑塗潰し、(2)が黄色塗潰し、(3)が紫塗潰し、(4)が緑斜線、(5)が青塗潰しです。

 ここで、言い忘れましたが水面埋立て土砂由来調査の評価は、法施行規則第10条の3第2項により30m格子ごとの評価となります。(条文省略)

 一応、前提が昭和40年の埋立て造成開始なので、人為等由来汚染の確認された(1)、(3)、(4)は埋立地特例区域の条件には該当しません。また、水面埋立て土砂由来で第二溶出量基準不適合が確認された(2)についても埋立地特例区域の条件に該当しません。

 よって、当該埋立地が工業専用地域にあるということから埋立地管理区域の要件には該当します。埋立地管理区域の場合、汚染の由来が人為等由来か水面埋立て土砂由来に拘らず、また、第二溶出量基準の適否に拘らず、ただ、当該埋立地が工業専用地域にあるか地下水の飲用基準に該当しなければ要件に該当しちゃうんですよね。

 そして問題は(5)の土地。人為等由来調査の結果、土壌溶出量基準適合で、水面埋立て土砂由来で第二溶出量基準適合かつ土壌溶出量基準不適合の土地です。これ、人為等由来汚染調査で土壌含有量基準にも適合していたら、埋立地特例区域の要件に該当していると思うんですけど・・・ちょっと、私は条文や問題文から、この土地が埋立地特例区域に該当しないという理由が見当たりませんでしたw

 でも、確実に埋立地管理区域の要件に(5)も該当するので、選択肢の(5)が間違いではないんですよねw

 この辺、私もまだまだ修行が足りませんwww