第12回

さて、今回からまた午前の問題を見ていきましょう。

土壌汚染状況調査。まずは地歴調査です。

 これ、何気にいい問題なんですよね。

 地歴調査のポイントをサラっと言うと、試料採取等対象物質を何とするか?なんですよねえ。まあそりゃ、地盤面の高さの推移とか、汚染のおそれの区分をするための情報とかの収集もありますが、まずは、試料採取等対象物質の選定が第一の目的となります。

 この問題で覚えておいた方がいいことは、試料採取等対象物質を選定する過程人為等由来汚染調査の汚染のおそれの区分の分類を行う過程ということ。

 なんやそれ?って感じなのですが、この問題は平成24年水質汚濁防止法改正法施行後に設置された特定施設で、地下浸透防止措置が適切に行われているという前提です。

 そーいう時は、汚染のおそれの区分の分類時に、当該地下浸透防止措置が行われている範囲については、「汚染のおそれがない土地」に分類して調査が出来るということなんすよね。そう、地歴調査の先の話なんですよ。

 そうなると選択肢Bについては、六価クロムの使用があったのだから試料採取等特定有害物質に選定しなければなりません選定したうえで、汚染のおそれの区分が何に分類されるかなんですよ。

 同じようなロジックで選択肢Dも。自主調査時で汚染のおそれが確認されているのだから、法に基づく土壌汚染状況調査でも汚染のおそれがある物質なんですよね。たとえ、その調査で試料採取をして基準適合であったとしてもです。ってことは、「当該調査結果で基準適合が確認されていても汚染のおそれはない」とは、必ずしも言えないってことです。(100m2に1地点の試料採取で、統計上、75~85%ぐらいの確率で汚染が確認できるというロジックでそもそも試料採取等の密度が決定されていますから)

 もう一つのロジックで言うと、おそれがあるということは、埋設等か使用等か貯蔵等がされている(た)特定有害物質であるということなので、当該自主調査後も使用等、貯蔵等されていた、又は、埋設されていたままの場合だったら、当然、法に定める契機に基づく調査時に試料採取等対象物質に選定するのがスジってやつですね。

 そのうえで、人為等由来調査の場合、汚染のおそれの区分が何に分類されるかを改めて行うってことです。

 ということで、選択肢Dの場合も試料採取等対象物質に選定しなければなりません。

 よって、正答は(4)。

 Aについては、ドラム缶の屋内保管については「貯蔵等」に該当しません。また、Cについては、たとえ基準不適合が確認された物質の親物質であっても、埋設等、使用等、貯蔵等の履歴の無い物質については、試料採取等対象物質に選定する必要はありません。

 ちなみに、選択肢D関連で、過去にやった自主調査で基準適合であった結果を使いたいのであれば、土壌汚染対策法施行規則第15条で行きましょう。

 でも、法施行前って平成15年2月15日以前の調査で、現行法と同じ精度って、かなりレアなケースだとは思いますがw