第15回

 今回からは試料採取等調査に係る問題に入ります。

 まずは、起点の設定方法。

 こういうのは、ガイドラインの絵を見るのもいいのですが、施行規則の条文を読んでいるだけで、ほとんどオールマイティに回答することが出来ます。

 一応、問題の絵の方に○、×を入れています。

 まず起点に係る法施行規則の条文、第4条第1項、第5条に規定されています。

 ○の方。まずBは、法施行規則第4条第1項のとおり。「土壌汚染状況調査の対象地」の最北の地点が起点になります。最北の地点が複数ある場合は最東の点。これについては理論も技術的根拠もありませんそういうルールだと理解しましょう。これが原則。

 なお、複数の土壌汚染状況調査の対象地がある場合、それぞれの土壌汚染状況調査の対象地の最北、最東の点が起点となります。

 Cについては、法施行規則第5条。これは平成22年の改正法で法第4条調査が追加されたことによって規定された特例的な条文です。土壌汚染状況調査の対象地が複数ある場合その複数ある土壌汚染状況調査の対象地の起点のうち、最北、最東の地点を起点とすることができます。(「できる」規定なので必ずしもそうしないといけないということではない)とりあえず、複数の土壌汚染状況調査の対象地をおまとめして区画して調査することも可能であるということです。

 Dについては平成31年改正法で追加されたおまとめの方法に係る規定です。法が施行されてから随分と経ち、同じ敷地内で何回か土壌汚染状況調査が実施されることも珍しくは無くなりました。(例えば、めっちゃ広い工場で、別々の契機で土地の形質の変更を行う等)。まあ、過去に実施した土壌汚染状況調査の起点を使うことが出来れば便利って考えたこともいて、この条文が出来たのだと思います。ただし、「土壌汚染状況調査」というのは、この法律の中で定義されたものなので、法契機に基づかない調査を過去にやっていたとしても、それを使うことは出来ません。(法第14条申請した場合は使えますが)

 次に×はA。これがなぜ駄目だというと、土壌汚染状況調査の対象地内に起点が設定されていないから。法第4条の調査の場合、法第4条第1項の規定に基づき届出られた土地が、問題の図のようになってしまっていたら、その範囲(切土部分)で汚染のおそれがある土地にしか法第4条第3項の命令は発出されませんので、こういう絵のような形で土壌汚染状況調査の対象地が同じ敷地内に複数になってしまう場合もあるということです。

 Eはよく分からない選択肢ですが、法施行規則第4条第1項、第5条第1項、2項のいずれにも該当しませんので誤り。

 よって、正答は(3)