地下水環境基準
地下水環境基準については、土壌環境基準や土壌汚染対策法の土壌溶出量基準や土壌含有量基準に先行して項目が追加、又は基準の見直しが行われるのが慣例です。
この原稿を書いている令和4年8月時点では、六価クロムについて地下水環境基準0.02mg/Lに対し、土壌環境基準、土壌汚染対策法の土壌溶出量基準は0.05mg/Lのままです。土壌含有量基準については、地下水環境基準が0.05mg/L→0.02mg/Lになった背景を踏まえて、別途、計算し設定されると思います。
地下水環境基準のポイントは、
- 達成期間は、「設定後直ちに達成され、維持されるように努めるものとする」とされています。(自然的原因である場合を除く)ただし、基準自体は自然由来であっても適用されます。(ここが土壌環境基準との違いです)
⇒「直ちに」は土壌環境基準の達成期間である「可及的速やか」よりも早くということです。
- 基準値に関しては、年平均値で判断することとされていますが、シアンだけは1年の最高値で判断されます。
(土壌は1回の基準の適否で決まっていたような気がします)
- 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素については、土壌環境基準は設定されていません。
- 一方で、有機燐については、地下水環境基準は設定されていませんが、土壌環境基準や土壌汚染対策法の土壌溶出量基準は設定されています。
⇒この辺は、地下水は、検出傾向から設定されなかったのだと思います。一方で土壌汚染は蓄積性の汚染ということも考慮されて設定されているものと思われます。